マンション管理に関する法律トラブル相談室共用部分について


使用が制限される場合、専用庭使用料を免除できるか

理事長(管理者)をしています。私のマンションでは、1階住戸に専用庭があり、専用庭使用料を組合員から徴収しています。この度、大規模修繕工事を実施することとなり、足場を組むこととなったのですが、1階住戸の組合員より、大規模修繕工事期間中は専用庭を使用できなくなるため、専用庭使用料を免除してほしいとの要望がありました。どのように対応すればよいでしょうか。当マンションの規約はマンション標準管理規約に準じています。

 専用庭には、専用使用権という「敷地及び共用部分等の一部について、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利」が設定されています。
 専用庭使用料は、共用部分である専用庭に設定されている専用使用権の対価として区分所有者が管理組合に支払うものです。
 また、専用使用権は、マンション標準管理規約コメント第14条関係において、「管理のために必要がある範囲内において、他の者の立ち入りを受けることがある等の制限を伴うものである。」とされており、管理組合が行う管理行為によりその使用が制限されることを前提に認められている権利であると考えられます。
 したがって、管理組合が行う大規模修繕工事により区分所有者の専用庭の使用が制限されたとしても、原則として専用庭使用料を免除することはできないでしょう。
 とはいえ、専用庭が使用制限を受ける程度や期間によっては、使用料を徴収しないという判断もあると思われます。あらかじめ使用料の免除規定を定めておくのも一つの方法です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2016年6月掲載

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