マンション敷地内において、無断駐車が多発し困っています。どのような対処法がありますか。
昨今、駐車場が不足しているマンションでは、本問のような問題を抱えている物件は少なくないようです。まず始めに、マンション内は私有地なので道路交通法の適用外であるために、警察の協力は得にくいと考えたほうがよいでしょう。
通常、張り紙などの警告で同一車両における無断駐車の再発は防止できます。それで効果がないようであれば、①現場の写真を撮り運輸支局で所有者を調査し、直接警告するという方法が考えられます。また、②車両に輪留めをかけ、申し出るまで車両を動かなくするという手段も考えられます。
①の運輸支局への問い合わせは有料で、直接窓口へ出向かなければいけません。
②は実行するにあたって、車両の所有者に対し、輪留めをしていることや輪留めをはずすために申し出ていただく旨を張り紙などで明確に告知することを怠ってはなりません。それに気づかず発進すれば、車輌が破損する恐れがあります。また、輪留めをはずせる者が常にマンション内にいること(管理員が常駐しているなど)に十分な配慮をする必要があるでしょう。
紹介した方法は、マンションの入居者が加害者である場合は後々わだかまりを残しかねません。まずは無断駐車に関して文書配布や掲示・看板などで、管理組合としてこのような処置をとる準備があることをあらかじめ周知させておいて、無断駐車をしにくい状況にしていくことを第一に考えていくべきでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1998年7月掲載