理事長(管理者)をしています。通常総会の開催にあたり、管理組合の収支決算案について監事の会計監査を受けたところ、会計処理のミスについて指摘した監査意見書が提出され、収支決算案については承認されませんでした。会計処理のミスについては修正しましたが、監事は追加承認を拒否しています。このような場合、理事会は監事の承認を受けていない収支決算案を総会に議案上程することはできるのでしょうか?
マンション標準管理規約第59条では、「理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない」とされています。この規定によれば、監事の会計監査を経て通常総会に議案を上程することが求められていますが、監事の承認を得ることまでは議案を上程する条件とされていません。
そのため、監事の不承認が、議案の上程を妨げられるものではありません。
ただ理事会としては、規約に基づいて監事の会計監査を経て監査意見書が提出されたことと、上程される収支決算案は監事が不承認であることを明示した上で、総会議案書に監査意見書を添付するなど、組合員が当該議案に対して適切に意思表示できるように対応する必要があるでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年6月掲載
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