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破産した区分所有者の議決権は誰が行使するか

破産した区分所有者がいるのですが、この人の議決権は誰が行使することになるのですか?また、競売中の場合には誰が議決権を行使するのですか?

議決権の行使については、区分所有者が破産した場合には破産管財人が、また、競売中の場合にはその区分所有者が行うことになります。
 区分所有者が裁判所から破産宣告を受けると、破産者が持っている権利の管理処分権限はすべて裁判所が選任した破産管財人に移ることになります(破産法)。よって、議決権の行使についても破産管財人が行うことになります。
 ただし、これは法的に破産した場合に限ってのことで、たとえば、実態として破産状態にはなっているものの裁判所の破産宣告がなされていないという場合については、区分所有者が依然として議決権をもっています。
 次に、競売中の場合については、破産の場合とは違い、区分所有者の持つ財産を本人が勝手に処分しないようにするための差し押さえはなされます(登記簿にも「差押」と記されます)が、目的物の管理権限は依然として区分所有者が持っています。よって、議決権の行使については区分所有者が行うことになります。
 ただし、競売が終了(所有権移転登記がなされた状態)した場合には、競落人が議決権を持つことになります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

1998年1月掲載

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