マンション管理に関する法律トラブル相談室総会・理事会の運営


総会の議案が賃借人のプライバシーの侵害に当たる場合について

 マンションの1階に住んでいる賃借人(占有者)です。来月の総会において、借りている部屋の専用庭と道路との間のブロック塀を、格子状のフェンスに変更する工事を行う議案が提出されることが掲示されていました。変更されると、道路から部屋が丸見えになるので困ります。どうすれば工事を見直してもらうことができるでしょうか?

マンション標準管理規約では、占有者は組合員ではないので、自ら総会で議決権を行使することはできませんし、組合員の代理人として議決権を行使できる規定もありません。
 区分所有法第44条では、総会の議案に利害関係を有する占有者は、区分所有者の承諾を得て総会に出席して意見を述べ、総会の現出席者へ訴えかけることは可能ですが、実際は、書面による議決権行使書によって議案の大勢は決まっており、現出席者への説明だけでは議案通り可決される可能性が高いでしょう。
 そもそも、本問のケースは、同法第17条第1項の「効用の著しい共用部分の変更」に該当すると思われますので特別決議が必要な議案といえます。そして、特別決議では共用部分の変更により特別の影響が及ぶ区分があれば、同条第2項の規定によって、その区分所有者の承諾が必要とされています。したがって、当該居室の賃貸人である区分所有者に、今回の変更は専有部分の使用に特別の影響を及ぼすことを主張してもらうことが可能と考えられます。
 なお、現実的には、当該区分所有者の主張を受け入れ、管理者は、今回の総会を開催しないで、格子状のフェンスに加えて目隠し用の生垣を植えるなどプライバシーに配慮した設計に変更した工事での議案に修正し、再度、総会の招集をすることがよいと考えます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2022年7月掲載

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