マンション管理に関する法律トラブル相談室総会・理事会の運営


理事会における代理人の出席について

理事会への代理人の出席を認めることは可能ですか。

管理組合では、最高決議機関たる総会の意思決定の下に、管理組合の業務を執行する体制として、理事長を業務執行機関、複数の理事から構成される理事会を業務執行の具体的意思決定機関、監事を内部監査機関として位置付けられています。
 そして、区分所有者には総会において代理人による議決権の行使を認めています(区分所有法第39条第2項)。これは区分所有者に保障された重要な権利であり、規約によりこの権利を制限することはできませんが、代理人の範囲を合理的かつ部分的に限定することは認められます。
 これに対し、理事会については区分所有法が別段の定めを設けていませんので、理事会への代理人の出席が可能か否かについてはマンション管理規約で認めていない限り理事会に代理人が出席することはできないことになります。また、管理規約で代理人出席を認める場合でも、代理人の範囲を実質的に共有者とみなせる配偶者などの親族に限定する考慮も必要でしょう。
 多くのマンションでは日常的に理事の配偶者が代理人として理事会に出席している実態もあるようですが、厳密には有効な運用とはいえず、訴訟等の争いになれば理事会決議が無効となる可能性がありますので、管理規約に則って運用することが必要です。
 一般的なマンション管理規約では理事の資格を区分所有者に限定していますが、区分所有法は理事の資格に制限を設けていませんので、理事の資格要件を共有者とみなせる配偶者などの親族とする管理規約を定めることも可能です。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2011年10月掲載(2025年2月更新)

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