法律トラブル相談集

専有部分のトラブル

専有部分への立ち入りについて
 管理組合の理事長をしています。当マンションでシェアハウスとして利用されている住戸があることが分かりました。その住戸の区分所有者は、室内を改修して間仕切りをいれ、不動産会社を仲介業者として契約し、複数の第三者を当該住戸に入居させているようです。約50平方メートル程度の専有部分に、管理組合の許可なく間仕切壁を増設するなどのリフォームが実施され、多くの住民(10人程度)が、該当住戸に出入りする姿が目撃されるようになり、「ゴミの分別がされていない、夜遅くまで騒いでいる」などの生活マナーが守られない状況が報告され、住民に不安が広がっています。住戸をシェアハウスとして利用することは規制できないでしょうか。当管理組合の管理規約は、マンション標準管理規約に準じています。

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 シェアハウスは、1つの住戸を複数人が共用して暮らす賃貸物件で、キッチン・リビング・バスルームなどを共用し、寝室として個室を確保しているのが一般的です。「共同生活を通じて住民同士のつながりを深める」というコンセプトのもと、若者を中心とする層に支持され、家賃負担を軽くしたいという事情や、家賃収益を大きく増やしたいという供給側の期待があり、新しい生活スタイルとして広がりを見せています。
 こうした事情を反映して、シェアハウスは一戸建て住宅だけでなく、分譲マンションでも見られるようになりました。しかしながら共同生活のマナー・ルールが守られない、住居内の大幅改修による建築基準法や消防法などの法令適合可否など、問題となるケースも出てきました。
 マンション標準管理規約第12条では「(専有部分の用途)区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定があり、同条のコメントでは、「住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する」とされています。
 本問のマンションは、「生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する」という状況からは程遠く、管理規約に違反しているといえると考えられます。ただし、具体的にどのような使用態様が管理規約第12条に違反するものとするかは明確な基準はなく、裁判などにより個別に判断されるものであることに注意が必要です。
 このようなトラブルを未然に防止するため、専有部分の修繕工事の届け出義務や承認プロセスを強化し、「建築基準法や消防法に抵触するような間仕切壁設置の禁止」、「承認のない工事は実施してはならない」などの規定を設けるなどの対策を講じておくことが望ましいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所本田兆司弁護士

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