法律トラブル相談集

管理費の滞納問題

 理事長をしています。当マンションには、滞納期間が4年近くになる長期滞納者がいます。管理会社より、再三の電話・訪問督促によっても回収が見込まれず、債務承認もしないため、管理費等の時効が5年であることを考慮して、管理費等の支払を求める訴訟を提起することについて提案がありました。このまま訴訟を提起しないで、滞納管理費が時効を迎えた場合、私の責任が問われる可能性はあるのでしょうか。なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

answer

 管理組合の理事長は、区分所有法に定める管理者とされており(標準管理規約第38条第2項)、管理者は委任に関する規定に従うこととされていますので(区分所有法第28条)、理事長には、善管注意義務があるといえます(民法第644条)。
 そして、理事長は、管理組合の役員として組合員のため誠実にその職務を遂行しなければなりません(標準管理規約第37条第1項)。
 さらに、管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講じなければならないとされています(標準管理規約第60条第3項)。
 これらにより、理事長が滞納者に対する訴訟提起を行わず、滞納管理費が時効を迎え、管理組合の財産が毀損された場合、他の組合員より理事長の責任を問われる可能性は否定できません。
 滞納者に債務を承認させるなどの方法で時効の中断を図ることはできますが、債務を承認しない場合や支払計画通りに支払われない場合などに、管理組合が一方的に時効を中断できる手段は訴訟(支払督促含む)しかありません。
 管理費等の滞納訴訟は全国に無数の事例があり、ほとんどの場合債務の存在について争いになることはなく口頭弁論も1回で終結するなど、極めて「事務的に」進捗する訴訟といえます。訴訟の提起は理事会決議で行うことができます(標準管理規約第60条第4項)ので、本件の場合、粛々と訴訟提起に向けた手続きを進めるべきでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所本田兆司弁護士

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